パッケージ製造の全工程で効率を高める5つの方法

Mex(スイス)、2025年11月13日

紙器業界は、急速に変化する消費者の嗜好、市場動向、そして技術革新によって変革の最中にあります。多くのブランドにとって、市場投入までのスピードと競合製品に対する店頭での訴求力は成功の重要な要素であり、それが少量生産、短納期、そして迅速な対応の必要性を高めています。コンバーターは、店頭で際立ち、これまでにない方法で消費者とつながる、より高度な紙器パッケージの提供を求められています。同時に、持続可能性への配慮が市場の動向を変化させており例えば、使い捨て用途のプラスチック包装が、再利用・リサイクル可能な紙器包装へ置き換えられつつあります。

このような状況下で、コンバーターが顧客の期待に応えるためには、ワークフロー全体でより高い効率が求められています。ワークフローの最適化、デジタル印刷、デジタルカッティング、デジタル加飾といった分野では、デジタル化が大きな効果を発揮しています。さらに、自動化は効率向上とコスト削減に貢献するとともに、包装業界で慢性的に続く熟練人材不足の解決にも役立っています。

BOBSTでは、「自動化」「デジタル化」「接続性」「持続可能性」という4つの柱を通じて、パッケージングの未来を形作るというビジョンのもと、長年にわたり取り組みを続けています。こうした取り組みにより、計画段階から生産全体に至るまで、紙器コンバーティングの各工程で効率化を実現できるようになりました。

ここでは、コンバーターがパッケージ製造の全工程で効率を高めるための5つの方法 をご紹介します。

1. BOBST Connectで準備工程を最適化

成功の鍵は、入念な準備にあります。パッケージングの生産性を高めるオールインワンのデジタルプラットフォーム「BOBST Connect」を活用することで、コンバーターはジョブの事前準備を高度化し、工程全体で大幅な効率化を実現できます。

例えば、生産前にジョブレシピを作成・管理し、それを機械に送信することで、オペレーターが機械にダウンロードしてセットアップを行えるようにできます。この「ジョブ&レシピ管理」ワークフローにより、セットアップが効率化され、精度が向上するとともに、シフトやオペレーター間での一貫性が確保されます。バックオフィスでジョブレシピを準備することで、オペレーターはセットアップではなく生産そのものに集中でき、より迅速かつ効率的な作業が可能になります。生産中に加えた変更内容はすべてプラットフォームへ自動的に反映され、データが常に最新状態に更新されます。これにより、データが常に更新され、生産の継続性が確保されます。

BOBSTは、コンバーターが加飾を含む革新的で魅力的なパッケージングソリューションを創出することの重要性を十分に理解しています。ホットスタンピング加工では、「OACS(Optimal Advance Computing System)Connect」を活用することで、生産前にバックオフィスで最適なフィルム送りのオプションを算出し、ジョブレシピと同様に機械へ送信することができます。これにより、フィルム供給の計画立案、段取り替え時間の短縮、箔(フォイル)使用量の最適化に貢献します。

データはツールと機械の間でも連携されています。「TooLink」では、抜型(刃型)に搭載されたマイクロチップが打抜機のHMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)と通信し、セットアップに必要なジョブデータを即座に呼び出すことができます。さらに、このチップは生産中に変更されたデータを記録し、次回の生産に反映させます。BOBST Connectを通じて、これらのデータは生産の全体把握や管理に活用できます。

BOBST Connectは、ジョブの準備やフォローアップを行うためのツールであるだけではありません。プラットフォームの機能の一部である「設備モニタリング」と「パフォーマンス管理」により、ユーザーは設備、シフト、ジョブのパフォーマンスやエネルギー消費に関する貴重な洞察を得ることができ、持続可能性とコストの最適化に役立てることができます。

2. セットアップの自動化と最適化

自動化は、パッケージング製造のあらゆる工程で生産性を高めています。例えば、EXPERTFOLD 50/80/110 では、主要ユニットの Matic(自動)セットアップ に対応しています。これに「ジョブ&レシピ管理」を組み合わせることで、段取り替えのたびに約10分短縮可能です。

ACCUPRESSを使用すると、EXPERTFOLDのセットアップ時をさらに約5分短縮できます。このシステムでは、HMI SPHERE を通じてデリバリー部の異なる圧力ゾーンを呼び出し、自動的に設定することが可能です。手動からデジタルセットアップへ切り替えることで、設定の安定性と精度が確保され、理想的な糊付けの接着性が保証されます。

紙器用打抜機のセットアップ時間は、「SPEED CHANGE」によって短縮できます。これは、セットアップの接続性、自動化、機械の人間工学性を高める一連の機能です。さらにACCUPLATEN を使用することで、BOBST 打抜機ーのムラ取り時間を最大 80%近く 短縮できます。これは、プラテン圧の不均一を補正して変形を最小限に抑えることで実現されます。

このように、自動化と時間を節約できる機械機能を活用することで、数多くの小さな改善を積み重ね、コンバーターにとって大きな効率向上につながります。

3. 効率的で柔軟な生産プロセスを支援

生産プロセスにおいて、BOBST は工程の最適化と柔軟性を通じて効率と生産性を向上させ、さまざまなニーズに対応できるソリューションをご提供します。

より高いホットスタンピング転写の汎用性を実現するために、NOVAFOIL 106にはクロスフォイルモジュールを装備することができ、付加価値パッケージへの箔(フィルム)転写性能を向上させることが可能です。さらに、最大10基の専用ホログラムモジュールを個別にセットアップ・取り付けできるため、生産要件に応じた柔軟な構成が可能です。このNOVAFOIL 106ホログラム仕様は、柔軟で効率性に優れたホログラム加工に最適です。

また、MASTERCUT 165 PER では Dual Stream デリバリーオプション により、ブランクを計数束で排出するか、パレット上に積み重ねて排出するかを選択できます。後工程の要件に応じて、スイッチ操作だけで機械を切り替えることができます。さらに後工程を考慮し、CARTONPACK 4パッカーを搭載した製函ライン向けに、インライン・結束ソリューションを開発しました。箱を容器に自動でばら詰めするのではなく、計数したバッチをバンド掛けすることで、包装品質を損なうことなく、包装機のオペレーターは箱を効率的に機械へ投入できます。

ACCUBRAILLE、ACCUCHECK、GYROBOXを搭載したBOBSTフォルダーグルアーは、コンバーターが生産ニーズに合わせて機械を柔軟に調整し、重要な生産工程を折り・貼りプロセスに直接統合することで、ワークフローの簡素化と高速化を実現します。

さらに、小〜中ロット生産向けには、紙器業界専用に開発された新しいオールインワンプラットフォーム DIGITAL MASTER 55 という選択肢があります。デジタル印刷とコンバーティングを統合し、短納期と高品質を両立することで、ビジネス機会を大きく広げます。DIGITAL MASTER 55 は、印刷・加飾・品質検査・打抜きをインラインで100 m/分のスピードで統合することで、市場投入までの時間を最短化(即日納品も可能)し、印刷および加工ソリューションの中で最も優れた総所有コスト(TCO)を実現します。

あらゆるニーズや要件に対応するオプションが揃っており、どれもコンバーターの効率を大幅に向上させます。

4. ノンストップ生産を加速

一度生産が稼働すれば、コンバーターは稼働時間と処理量を最大化する必要があります。

近年、NOVACUT 106 と VISIONCUT 106 に搭載された ACCUREGISTER(アキュレジスター) は、「非接触型」の見当合わせシステムで、パッケージ製造における打抜き精度を向上させるために設計されています。高性能カメラにより、エッジまたはプリントマークを基準とした高精度な位置合わせが可能です。これにより、シートの位置決めと打抜きの品質を最適化し、給紙トラブルによる停止を最小限に抑えることができます。

BOBSTの自動パイル搬送(APT)システムは、打抜き工程の物流を効率化するために設計されており、フィーダーへ常時フルパレットを供給しながら、加工済みのブランクを積載するためのパレットをデリバリー側へと自動搬送します。これにより、材料の流れが最適化され、生産効率が向上します。

一方で、製函機の周辺機器は、材料の流れを途切れさせることなく維持し、機械の生産能力を最適化します。EASYFEEDER 4(プリフィーダー) と BATCH INVERTER 4を使用することで、製函機へのブランク供給はオペレーターが常時立ち会うことなく連続的に行われ、あらゆる速度で最高の生産性を確保できます。

5. 環境に優しい解決策で資源を有効活用

すべてのコンバーターにとって持続可能性とコスト効率が重要な関心事である中、BOBSTは環境への影響と生産コストの削減を目指し、継続的に新たな取り組みを展開しています。

POWER REGISTER の見当出し機能は、各シートの端にある非常に小さな正方形の基準マークにも対応できるように調整されています。この POWER REGISTER Plus は、前方の見当マーク用に最大4mmのシートを短縮でき、シートコストを最大0.5%削減します。これにより、100万枚のシートあたり最大1トンのカートンを節約することが可能です。

さらに Energy Efficiency Pack (エネルギー効率パック)は、エネルギー効率の高いエアポンプや、機械のブレーキによる運動エネルギーを電力に変換するEnergy Recovery System (エネルギー回収システム)などの機能を含む一連の装備です。これらの機能やその他の対策により、打抜機やホットスタンピング転写機のエネルギー消費を最大20%削減することができます。

EXPERTFOLD 製函機 の新しい独立駆動型糊付けユニットは、エネルギー・接着剤・保守時間の削減に役立ちます。独立モーターの搭載により、他のユニットがスタンバイ状態でも糊付けステーションは稼働を継続し、グルーホイールは回転し続けます。これにより接着剤の乾燥を防ぎ、接着品質を維持したまま、後続の箱を途切れることなく安定して生産することが可能です。

持続可能性とコスト効率はしばしば密接に関連しています。前者を改善すれば、後者もほぼ確実に向上します。

まとめ

紙器の加工工程全体において、効率と生産性を向上させるための大きなチャンスがあります。BOBSTは、サービスや長期的な生産変更への対応を含む、エンドツーエンドのソリューションを提供する頼れるサプライヤーです。BOBSTが紙器コンバーティング全体で培ってきたソリューションは、コンバーターに確かな競争優位性をもたらし、今後も加速する市場の変化に柔軟かつ持続的に対応する力を提供します。

リモートでのデータ設定と自動設定機能を組み合わせることで、機械の生産性と操作性が向上します。
DIGITAL MASTER 55 は、オールインワン機能と最大限の生産柔軟性を兼ね備えています。
資源の有効活用:従来の見当マークを、シート側辺の小さなスクエアに置き換えることで、各シートの前端スペースを最大4mm短縮できます。

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当社はラベル、軟包装、紙器、段ボール産業向けに印刷、コンバーティング、加工機械、およびサービスを提供する世界有数のサプライヤーです。私たちのビジョンは、包装業界の未来をを創造することです。その基盤は、接続性、デジタル化、自動化、そして持続可能性の4つの柱にあります。
Joseph Bobstにより1890年にスイスのローザンヌに設立されたBOBST社は、50カ国以上で事業を展開しており、12カ国に21の生産拠点を持ち従業員数は全世界で6,400名に及びます。 2024年12月期の連結売上高は、18億9100万スイスフランでした。

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